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【燃料電池】企業特許力ランキング – 2023年5月度-

こんにちは! 工藤一郎国際特許事務所です。日銀、東証、日経グループ、金融機関、大手技術系メーカーと多数の特許価値評価・知財戦略分析に関する取引実績があります。このブログでは特許価値評価や知財戦略分析に関する情報を提供しています。

今回は燃料電池関連の特許から見た有力企業ランキングを紹介します(本記事の内容は2023年5月時点のものとなります)。

POINT
  • 企業の成長性(株価)の先行指標となるYK値のランキング
  • 燃料電池業界は今注目すべき業界!
  • YK値の高い特許も併せて紹介
弁理士
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企業の成長性(株価)の先行指標となるYK値のランキングです。YK値は企業の特許価値を評価する今注目の指標です。YK値の説明はこちらから。

今注目の燃料電池業界

再生可能エネルギーの貯蔵手段として注目

燃料電池とは、燃料の化学反応によって電力を取り出す電池のこといい、代表的なものとして水素燃料電池が挙げられます。近年話題になった燃料電池自動車は、当初の期待ほどには普及していない状況ですが、発電量の変化の激しい再生可能エネルギーを貯蔵し活用する手段として、本技術は引き続き有望視されています。

例えば、2020年に完成した福島水素エネルギー研究フィールドなどで、多数の企業による実証実験が行われています。

約18万㎡の敷地内に設置された20MWの太陽光発電から得られる電力など、再生可能エネルギー由来の電力によって水の電気分解を行います。

弁理士
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石油系の燃料を一切使用せずに水素ガスをつくるので完全にクリーンなエネルギーといえます。

ロシアのウクライナ侵攻の影響も…

日本では、東日本大震災をきっかけとした原発の停止以降、主に火力発電で不足した電力を補ってきました。しかし、2022年2月下旬、ロシアがウクライナに侵攻したことにより、ロシアから購入していた液化天然ガスの入手が困難となったことから、火力発電による電力も不足しています。

これらを補うため、また、長期的には二酸化炭素削減のため、再生可能エネルギーの重要性が改めて認識されています。再生可能エネルギーを貯蔵し活用する手段として、本技術は現在大きな注目を集めています。

弁理士
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燃料電池業界は今最も注目の業界といえるでしょう!

企業特許力ランキング(YK値ランキング)

企業特許力ランキング

燃料電池の特許に関する有力企業ランキング(本技術分野のYK値が高い企業)は、以下の通りです。

No証券コード企業名称本技術分野
YK値
15333日本碍子㈱1711.53
26971京セラ㈱783.05
34188三菱ケミカルグループ㈱541.88
47203トヨタ自動車㈱413.75
59532大阪瓦斯㈱297.02
企業特許力ランキング
弁理士
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燃料電池の重要素材となるセラミックス関連の企業が上位に来ています。

補足:特許と技術テーマの紐づけ方

本ランキングでは、燃料電池に関連する特許を国際特許分類(IPC)を使用して選び出し、集計しています。国際特許分類(IPC)とは世界中で共通して使われている特許の分類コードで、特許には必ずついているものです。細かくは数万種類もありますので、網羅的で詳細な分類が可能です。

弁理士
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本記事では、ビッグデータを分析し、燃料電池と関連する国際特許分類IPCを少し広めにとっていますので部品を作っている企業などもカバーできます。

特許のご紹介(YK値の高い特許)

特許ランキング

本技術分野の高YK値特許をピックアップすると以下の通りです。

証券
コード
企業名特許番号発明の名称YK値
5333日本碍子㈱5663694空気極材料及び固体酸化物型燃料電池250.27
6971京セラ㈱5734125セルスタックおよび燃料電池モジュール77.56
4188三菱ケミカルグループ㈱6750192固体高分子形燃料電池用ガス拡散層77.06
9532大阪瓦斯㈱5778711セル間接続部材の製造方法および…(後略)…69.90
7203トヨタ自動車㈱5729357燃料電池用ガス拡散層の製造方法54.08
技術分野有力企業(傘下のグループ企業含む)が保有する高YK値特許(代表的なものを掲載)
弁理士
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日本碍子の固体酸化物型燃料電池のYK値がとても高いですね

今現在係争がある特許

本技術分野の係争のうち、有力上場企業が関連しているものとして、以下のような係争があります。

審判番号種別攻撃側

防御側
結果発明の名称
2022-700472異議個人

日本碍子㈱
審判中燃料電池セル
2021-700714異議個人

京セラ㈱
不成立セル、セルスタック装置、モジュール…(後略)…
同技術分野有力企業 特許に関する係争(代表的なものを掲載)
弁理士
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特許の係争があるということはそれだけ重要な技術だということですね。

工藤一郎国際特許事務所では様々な特許の分析レポート・価値評価レポートを提供しています。

大手研究所、メーカー、金融機関等向け等に多数の納入実績がありますので、ぜひご相談ください!

以上

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