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【全固体電池】企業特許力ランキング – 2024年11月度-

こんにちは! 工藤一郎国際特許事務所です。日銀、東証、日経グループ、金融機関、大手技術系メーカーと多数の特許価値評価・知財戦略分析に関する取引実績があります。このブログでは特許価値評価や知財戦略分析に関する情報を提供しています。

今回は全固体電池の特許から見た有力企業ランキングを紹介します(本記事の内容は2024年11月時点のものとなります)。

POINT
  • 企業の成長性(株価)の先行指標となるYK値のランキング
  • 今注目の全固体電池業界!
  • YK値の高い特許も併せて紹介
弁理士
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企業の成長性(株価)の先行指標となるYK値のランキングです。YK値は企業の特許価値を評価する今注目の指標です。YK値の説明はこちらから。

今注目の全固体電池業界

液漏れ等のトラブルが無く安全確保用部品が大幅削減

全固体電池とは、電解質に固体を用いた電池のことをいいます。電解質とは、プラス極とマイナス極の間にあるイオンを移動させるための材料なのですが、この材料が従来は液体であったため液漏れやショートなどのトラブルの原因となっていました。これに対し、全固体電池は電解質が固体であるため、これらの問題が解決します。さらに、液体電解質の場合に必要だった安全性確保用の部品が大幅に削減できるため、電池を小型化できる(同じ大きさであれば容量が増加する)という、大きなメリットがあります。

全固体電池のイメージ(黄色部分が固体電解質)
出展:TOYOTAホームページ ニュースリリース2023年10月12日
https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/39898897.html

電気自動車の航続距離飛躍に不可欠

固体電池は、電気自動車の航続距離を大幅に延ばすための切り札として長い間期待されてきましたが、ついに実用化のめどが立ってきたようです。2023年10月には、トヨタ自動車㈱と出光興産㈱が、バッテリーEV(電気自動車)用の全固体電池の量産化に向けた固体電解質の量産技術開発や生産性向上、サプライチェーン構築の取り組みに合意し、2027~28年の全固体電池実用化を目指すことが発表されました。

全固体電池の市場規模は2040年には世界で約3.8兆円になるとも予想されています(2022年11月富士経済グループプレスリリースより)。本技術は現在最も注目されている技術の一つといえるでしょう。

企業特許力ランキング(YK値ランキング)

企業特許力ランキング

本技術分野の特許に関する有力企業ランキング(本技術分野のYK値が高い企業)は、以下の通りです。

No証券コード企業名称同技術分野
関連YK値
15706 三井金属鉱業㈱ 650.94
27203 トヨタ自動車㈱ 339.61
35019 出光興産㈱ 191.16
44005 住友化学㈱ 179.77
56986 双葉電子工業㈱ 167.64
企業特許力ランキング

補足:特許と技術テーマの紐づけ方

本ランキングでは、全固体電池に関連する特許を国際特許分類(IPC)を使用して選び出し、集計しています。国際特許分類(IPC)とは世界中で共通して使われている特許の分類コードで、特許には必ずついているものです。細かくは数万種類もありますので、網羅的で詳細な分類が可能です。

弁理士
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本記事では、ビッグデータを分析し、全固体電池と関連する国際特許分類IPCを検索対象にしています。

特許のご紹介(YK値の高い特許)

特許ランキング

本技術分野の高YK値特許をピックアップすると以下の通りです。

証券
コード
企業名特許番号発明の名称同技術分野
関連YK値
5706 三井金属鉱業㈱ 6595152 リチウム二次電池の固体電解質及び…(後略)…287.17
6986 双葉電子工業㈱ 7282663 タブリード及びリチウムイオン電池 76.80
4005 住友化学㈱ 6742547 全固体リチウムイオン電池用正極活物質…(後略)…   68.00
5019 出光興産㈱   6679737 硫化物固体電解質 64.96
7203 トヨタ自動車㈱7147522 全固体電池及びその製造方法 64.38
技術分野有力企業(傘下のグループ企業含む)が保有する高YK値特許(代表的なものを掲載)

今現在係争がある特許

本技術分野の係争のうち、有力上場企業が関連しているものとして、以下のような係争があります。

審判番号種別攻撃側 → 防御側結果発明の名称
2023-701253 異議個人→双葉電子工業㈱特許
維持
タブリード及びリチウムイオン電池 
2023-700342  異議個人→トヨタ自動車㈱特許 
維持 
全固体電池及びその製造方法
同技術分野有力企業 特許に関する係争(代表的なものを掲載)
弁理士
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特許の係争があるということはそれだけ重要な技術だということがいえます。

工藤一郎国際特許事務所では様々な特許の分析レポート・価値評価レポートを提供しています。

大手研究所、メーカー、金融機関等向け等に多数の納入実績がありますので、ぜひご相談ください!

以上

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