【機能性プラスチック】企業特許力ランキング – 2023年7月度-

こんにちは！　工藤一郎国際特許事務所です。日銀、東証、日経グループ、金融機関、大手技術系メーカーと多数の特許価値評価・知財戦略分析に関する取引実績があります。このブログでは特許価値評価や知財戦略分析に関する情報を提供しています。

今回は機能性プラスチックの特許から見た有力企業ランキングを紹介します（本記事の内容は2023年7月時点のものとなります）。

POINT

弁理士

企業の成長性（株価）の先行指標となるYK値のランキングです。YK値は企業の特許価値を評価する今注目の指標です。YK値の説明はこちらから。

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今注目の機能性プラスチック業界

機能性プラスチックとは、強度や耐熱性、耐摩耗性などの各種機能を高めたプラスチックです。

プラスチックは軽量かつ安価に生産できるうえ、金型などを用いて自由に成形できるメリットがある一方、金属材料などに比べると強度や耐熱性が低いためにその応用範囲には限界がありました。その応用範囲を拡大するために改良を加えたのが機能性プラスチックです。

弁理士

プラスチックというと強度が低いイメージがありますが、機能性プラスチックはその弱点を克服しているのです

プラスチック製の研究用品のイメージ　作成者： angellodeco 出典：Adobe Stock　https://stock.adobe.com/jp/images/laboratory-supplies/60430774

機能性プラスチックの今後の用途として、特に大きな期待ができるのは電気自動車関連です。

電気自動車は充電容量（航続距離）がいまだ十分ではなく、燃費を向上させるための軽量化が求められています。また、従来の車に比べると、エンジンでガソリンを燃焼させる必要がないことから部材に求められる耐熱性も低く、金属材料に代えて機能性プラスチックを使用できる箇所が増える可能性があります。

自動車産業の市場規模は非常に大きいため、機能性プラスチックは今後も注目を集めていくと考えられます。

弁理士

自動車以外にも飛行機などにも部材によっては使用できます

機能性プラスチックの特許に関する有力企業ランキング（本技術分野のＹＫ値が高い企業）は、以下の通りです。

企業特許力ランキング

弁理士

やはり化学系のメーカーが多いですね。機能性プラスチックは繊維で強化する場合が多いので繊維系のメーカーもランクインしているようです

本ランキングでは、機能性プラスチックに関連する特許を国際特許分類（IPC）を使用して選び出し、集計しています。国際特許分類（IPC）とは世界中で共通して使われている特許の分類コードで、特許には必ずついているものです。細かくは数万種類もありますので、網羅的で詳細な分類が可能です。

弁理士

本記事では、ビッグデータを分析し、機能性プラスチックと関連する国際特許分類IPCを少し広めに検索対象にしています。

本技術分野の高ＹＫ値特許をピックアップすると以下の通りです。

技術分野有力企業(傘下のグループ企業含む)が保有する高ＹＫ値特許（代表的なものを掲載）

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UBEの特許5923887のYK値がとても高いですね。

本技術分野の係争のうち、有力上場企業が関連しているものとして、以下のような係争があります。