こんにちは! 工藤一郎国際特許事務所です。日銀、東証、日経グループ、金融機関、大手技術系メーカーと多数の特許価値評価・知財戦略分析に関する取引実績があります。このブログでは特許価値評価や知財戦略分析に関する情報を提供しています。
今回は太陽光発電関連の特許から見た有力企業ランキングを紹介します(本記事の内容は2022年1月時点のものとなります)。
- 企業の成長性(株価)の先行指標となるYK値のランキング
- 今注目の太陽光発電業界!
- YK値の高い特許も併せて紹介
企業の成長性(株価)の先行指標となるYK値のランキングです。YK値は企業の特許価値を評価する今注目の指標です。YK値の説明はこちらから。
今注目の太陽光発電業界
太陽光発電は、光を電力に変換する半導体を利用することによって発電を行います。地球上のいたるところに降りそそぐ太陽光を利用することから、ヨーロッパのように安定的に風が吹かない日本では、風力発電よりもこの太陽光発電が再生可能エネルギーの最有力候補として期待されています。
日本の太陽光発電の発電設備容量は、2019年末時点で中国、米国に次ぐ第3位であり、(資源エネルギー庁「令和2年度エネルギーに関する年次報告」)国際的にも高い水準となっています。また、導入量の推移をみても、資源エネルギー庁調べで2019年度にいたるまで増加、民間調査会社の資料によれば2020年度も増加となっており、着実に普及が進んでいるといえます。
一般家庭でも屋上パネルなどで導入が進んでいる印象です!
太陽光発電所の様子 出典 : pixabay https://pixabay.com/
実際には、近年はやや太陽光発電の増加ペースが鈍っているのですが、脱二酸化炭素への国際的な圧力は日々強まっており、今後、日本は太陽光発電にさらに注力しなければならない状況です。
太陽光発電はいま最も注目されている技術の一つといえるでしょう。
太陽光発電は中国企業が強いですが、日本企業にも頑張ってほしいですね
企業特許力ランキング(YK値ランキング)
太陽光発電の特許に関する有力企業ランキング(本技術分野のYK値が高い企業)は、以下の通りです。
No | 証券コード | 企業名称 | 同技術分野 関連YK値 |
1 | 6501 | ㈱日立製作所 | 440.28 |
2 | 5486 | 日立金属㈱ | 440.28 |
3 | 4188 | ㈱三菱ケミカルホールディングス | 415.14 |
4 | 4901 | 富士フイルムホールディングス㈱ | 396.30 |
5 | 4183 | 三井化学㈱ | 304.92 |
重要製品だけあってかなりYK値が高くなっています!
本ランキングでは、太陽光発電に関連する特許を国際特許分類(IPC)を使用して選び出し、集計しています。国際特許分類(IPC)とは世界中で共通して使われている特許の分類コードで、特許には必ずついているものです。細かくは数万種類もありますので、網羅的で詳細な分類が可能です。
本記事では、ビッグデータを分析し、太陽光発電と関連する国際特許分類IPCを特定しています。
特許のご紹介(YK値の高い特許)
本技術分野の高YK値特許をピックアップすると以下の通りです。
証券 コード | 企業名 | 特許番号 | 発明の名称 | 同技術分野 関連YK値 |
4183 | 三井化学㈱ | 5889709 | 太陽電池封止材および太陽電池モジ ュール | 63.07 |
6501 5486 | ㈱日立製作所 日立金属㈱ | 5491682 | 太陽電池用平角導体及びその製造 方法並びに太陽電池用リード線 | 84.20 |
4901 | 富士フイルムホール ディングス㈱ | 5951971 | ポリエステルフィルム及びその製造方 法、太陽電池用バック…(後略)… | 62.44 |
4188 | ㈱三菱ケミカルホー ルディングス | 4979103 | 太陽電池用ポリエステルフィルム | 38.12 |
封止剤やフィルムなどの部材が重要となっていることが分かります
本技術分野の係争のうち、有力上場企業が関連しているものとして、以下のような係争があります。
審判番号 | 種別 | 攻撃側 → 防御側 | 結果 | 発明の名称 |
2016-700892 | 異議 | 朝日奈特許事務所など →三井化学㈱ | 訂正 維持 | 太陽電池封止材および太 陽電池モジュール |
2015-700048 | 異議 | 個人 → 日立金属㈱ | 不成立 | 太陽電池用電極線材 |
特許の係争があるということはそれだけ重要な技術だということですね。
工藤一郎国際特許事務所では様々な特許の分析レポート・価値評価レポートを提供しています。
大手研究所、メーカー、金融機関等向け等に多数の納入実績がありますので、ぜひご相談ください!
以上