こんにちは! 工藤一郎国際特許事務所です。日銀、東証、日経グループ、金融機関、大手技術系メーカーと多数の特許価値評価・知財戦略分析に関する取引実績があります。このブログでは特許価値評価や知財戦略分析に関する情報を提供しています。
今回はテレビゲームの特許から見た有力企業ランキングを紹介します(本記事の内容は2023年11月時点のものとなります)。
- 企業の成長性(株価)の先行指標となるYK値のランキング
- 今注目のテレビゲーム業界!
- YK値の高い特許も併せて紹介
企業の成長性(株価)の先行指標となるYK値のランキングです。YK値は企業の特許価値を評価する今注目の指標です。YK値の説明はこちらから。
今注目のテレビゲーム業界
経済産業省によると、「ゲームソフト」の第3次産業活動指数(産業の生産活動を示す指数)が2023年4月に306.9に達しました。この指数は2015年を100として基準化していますので、2015年からの8年間で、約3倍の規模になったということができます。
この成長の要因に一つに、新型コロナウィルスの流行による巣ごもり需要の影響が挙げられます。2023年4月ごろにはコロナ禍はピークを過ぎてはいたものの、変化した生活習慣は簡単にはもとに戻らないため、好調な状況が続いていたようです。
巣ごもり需要に加えて、スマホゲームの流行も要因の一つでしょう!
家庭用ゲーム機本体 著作者:InspiredImages 出典: https://pixabay.com/ja/photos/1791676/
今後もゲーム業界には追い風が吹く要因があります。一般社団法人日本eスポーツ連合によると、テレビゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える「eスポーツ」のファン数が2021年で743.3万人、2025年には1200万人を超えると予想されています。すでに1億円を超える賞金を払うeスポーツ大会も開催されており、今後はプロゲームプレイヤーも注目を集めそうです。
また、技術的な面からも、VRやメタバースに関する技術がゲームを大きく進歩させる可能性があります。ゲーム業界は、現在もっとも注目されている分野のひとつといえるでしょう。
Youtubeでのゲーム配信者などの人気もあり、今後もゲーム市場は伸びていきそうです
企業特許力ランキング(YK値ランキング)
テレビゲームの特許に関する有力企業ランキング(本技術分野のYK値が高い企業)は、以下の通りです。
No | 証券コード | 企業名称 | 同技術分野 関連YK値 |
1 | 3632 | グリー㈱ | 964.41 |
2 | 6460 | セガサミーホールディングス㈱ | 617.27 |
3 | 9766 | コナミグループ㈱ | 324.14 |
4 | 3668 | ㈱コロプラ | 166.15 |
5 | 7832 | ㈱バンダイナムコホールディングス | 111.23 |
スマホゲームの会社が強いですね。
本ランキングでは、テレビゲームに関連する特許を国際特許分類(IPC)を使用して選び出し、集計しています。国際特許分類(IPC)とは世界中で共通して使われている特許の分類コードで、特許には必ずついているものです。細かくは数万種類もありますので、網羅的で詳細な分類が可能です。
本記事では、ビッグデータを分析し、テレビゲームと関連する国際特許分類IPCを検索対象にしています。
特許のご紹介(YK値の高い特許)
本技術分野の高YK値特許をピックアップすると以下の通りです。
証券 コード | 企業名 | 特許番号 | 発明の名称 | 同技術分野 関連YK値 |
3632 | グリー㈱ | 6043844 | ゲーム制御方法、サーバ装置及びプログラム | 244.71 |
6460 | セガサミーホールディングス㈱ | 4807531 | 画像処理装置およびその方法 | 210.62 |
3668 | ㈱コロプラ | 6595043 | ゲームプログラム、方法、および情報処理装置 | 152.15 |
9766 | コナミグループ㈱ | 5714068 | ゲーム機、及び…(後略)… | 144.80 |
7832 | ㈱バンダイナムコホールディングス | 6721659 | サーバシステム | 42.12 |
グリーの特許は対戦式のソーシャルゲームのゲームシステムに関するものです。
本技術分野の係争のうち、有力上場企業が関連しているものとして、以下のような係争があります。
審判番号 | 種別 | 攻撃側 → 防御側 | 結果 | 発明の名称 |
2021-700307 | 異議 | 個人→ ㈱セガ | 訂正 維持 | 情報処理装置及びプログラム |
2018-700194 | 異議 | 個人→ グリー㈱ | 訂正 維持 | サーバ装置の制御方法、…(後略)… |
特許の係争があるということはそれだけ重要な技術だということがいえます。
工藤一郎国際特許事務所では様々な特許の分析レポート・価値評価レポートを提供しています。
大手研究所、メーカー、金融機関等向け等に多数の納入実績がありますので、ぜひご相談ください!
以上