こんにちは! 工藤一郎国際特許事務所です。日銀、東証、日経グループ、金融機関、大手技術系メーカーと多数の特許価値評価・知財戦略分析に関する取引実績があります。このブログでは特許価値評価や知財戦略分析に関する情報を提供しています。
今回はバイオテクノロジーの特許から見た有力企業ランキングを紹介します(本記事の内容は2024年2月時点のものとなります)。
- 企業の成長性(株価)の先行指標となるYK値のランキング
- 今注目のバイオテクノロジー業界!
- YK値の高い特許も併せて紹介
企業の成長性(株価)の先行指標となるYK値のランキングです。YK値は企業の特許価値を評価する今注目の指標です。YK値の説明はこちらから。
今注目のバイオテクノロジー業界
バイオテクノロジーとは、生物の特性や機能を利用して役立てる技術全般をいいます。医療や医薬だけでなく、微生物を利用した発酵技術や、植物から燃料を作り出すバイオマス技術などその応用範囲は多岐にわたります。
バイオテクノロジーのイメージ
出展:pixabay(https://pixabay.com/ja/photos/3876669/)
経済産業省報告書「バイオテクノロジーが拓く『第五次産業革命』」(2021年2月)によると、AIなどの様々な技術とバイオテクノロジー技術が融合することにより、「あらゆる『ものづくり』にバイオテクノロジーが用いられるバイオエコノミー社会が世界的に到来しつつある」とのことです。この状況踏をまえ、日本政府は、2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会の日本での実現を目標としています。
残念ながら、バイオ医薬などの花形分野については、圧倒的にアメリカで研究が進んでおり、日本勢が出遅れている感は否めません。しかし、今後は国家全体で同技術に注力していく方針が示されてもいますので、日本企業の飛躍に期待したいところです。
企業特許力ランキング(YK値ランキング)
バイオテクノロジーの特許に関する有力企業ランキング(本技術分野のYK値が高い企業)は、以下の通りです。
No | 証券コード | 企業名称 | 同技術分野 関連YK値 |
1 | 4519 | 中外製薬㈱ | 2000.77 |
2 | 8058 | 三菱商事㈱ | 558.10 |
3 | 2802 | 味の素㈱ | 538.20 |
4 | 2892 | 日本食品化工㈱ | 498.72 |
5 | 4578 | 大塚ホールディングス㈱ | 472.35 |
本ランキングでは、バイオテクノロジーに関連する特許を国際特許分類(IPC)を使用して選び出し、集計しています。国際特許分類(IPC)とは世界中で共通して使われている特許の分類コードで、特許には必ずついているものです。細かくは数万種類もありますので、網羅的で詳細な分類が可能です。
本記事では、ビッグデータを分析し、バイオテクノロジーと関連する国際特許分類IPCを検索対象にしています。
特許のご紹介(YK値の高い特許)
本技術分野の高YK値特許をピックアップすると以下の通りです。
証券 コード | 企業名 | 特許番号 | 発明の名称 | 同技術分野 関連YK値 |
4519 | 中外製薬㈱ | 4954326 | 複数分子の抗原に繰り返し結合する抗原結合分子 | 556.29 |
2892 | 三菱商事㈱ 日本食品化工㈱ | 4397965 | 新規分岐グルカン並びにその製造方法および用途 | 498.21 |
4578 | 大塚ホールディングス㈱ | 6275313 | エクオール含有抽出物及び…(後略)… | 455.95 |
2802 | 味の素㈱ | 5343303 | L-グルタミン酸生産菌及びL-グルタミン酸の製造方法 | 313.00 |
本技術分野の係争のうち、有力上場企業が関連しているものとして、以下のような係争があります。
審判番号 | 種別 | 攻撃側 → 防御側 | 結果 | 発明の名称 |
2019-800046 | 無効 | Alexion Pharmaceuticals, Inc. → 中外製薬㈱ | 請求取下 | 複数分子の抗原に繰り返し結合する抗原結合分子 |
2019-701067 | 異議 | 個人 → 味の素㈱ | 訂正維持 | 幹細胞用培地 |
特許の係争があるということはそれだけ重要な技術だということがいえます。
工藤一郎国際特許事務所では様々な特許の分析レポート・価値評価レポートを提供しています。
大手研究所、メーカー、金融機関等向け等に多数の納入実績がありますので、ぜひご相談ください!
以上