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今回は太平洋セメントなど二酸化炭素回収に関する技術の有力企業3社のテクノロジーを紹介します(本記事の内容は2025年5月時点のものとなります)。

ここでピックアップする技術は今回注目したもので、全体のごく一部ですのでご留意を!
- 企業の成長性(株価)の先行指標となるYK値が高い3社を紹介
- 今注目の二酸化炭素回収業界!
- 各企業の新しい取り組みや新発明なども併せて紹介

早速、企業の注目技術を見てみましょう!
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二酸化炭素回収とは

三菱重工の小型CO2回収装置「CO2MPACT」
出典:三菱重工HP https://www.mhi.com/jp/news/230201.html
二酸化炭素回収(CCS・CCUS)は、発電所や工場などから排出されるCO₂を分離・回収し、地中深くに安全に貯留したり、メタン燃料などとして再利用する技術です。地球温暖化対策として注目されており、カーボンニュートラルの実現に不可欠な手段とされています。
近年では、回収したCO₂を資源として活用するCCU技術も進展し、経済価値の創出にもつながっています。
太平洋セメント
二酸化炭素を吸収するセメントを開発しました。セメントは砂利などの骨材と合わせて水で混ぜてから、硬化させることでコンクリートになりますが、同社が開発したセメントは硬化の際に二酸化炭素を吸収します。また、通常のセメントよりも低温で製造することができるため、製造時の熱エネルギーも少なく、二酸化炭素排出量も少ないのです。カーボンニュートラル社会への貢献が期待できます。
参考URL:https://www.taiheiyo-cement.co.jp/news/news/pdf/250513_4.pdf
なお、特許はセメント・コンクリートに関連して多数有します。
タクマ
効率のよい化学吸収法による二酸化炭素分離装置を開発しました。化学吸収法とは、吸収液を用いて排ガス中の二酸化炭素を吸収し、その後吸収液を高温で加熱することで二酸化炭素を放散・回収する方法です。従来の同方法は加熱時に必要なエネルギーが大きく効率が悪かったのですが、同社の吸収液は、放散工程が低温で行えるため、エネルギー効率が高くなります。
参考URL:https://www.takuma.co.jp/news/2024/20241125.html
なお、特許は二酸化炭素回収関連のほか、廃棄物処理に関連して多数有します。
JFEホールディングス
バイオマスボイラから排出される二酸化炭素(燃焼ガス)を植物プラントなどに供給する装置を開発しました。バイオマスボイラの燃焼ガスは不純物が多いため、従来の技術では作物の栽培に用いることは困難でした。同社は燃焼ガスの浄化設備を独自開発。バイオマスボイラからの燃焼ガスを利用し、植物プラントに熱と二酸化炭素を供給することを可能としました。
参考:特許第6774167号(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6774167/15/ja)など
なお、特許は二酸化炭素回収関連のほか炉や鉄鋼に関して多数有します。

紹介した3社以外にも本テーマの技術優良企業はありますよ
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