こんにちは! 工藤一郎国際特許事務所です。日銀、東証、日経グループ、金融機関、大手技術系メーカーと多数の特許価値評価・知財戦略分析に関する取引実績があります。このブログでは特許価値評価や知財戦略分析に関する情報を提供しています。
今回は物流設備・機器の特許から見た有力企業ランキングを紹介します(本記事の内容は2024年4月時点のものとなります)。
- 企業の成長性(株価)の先行指標となるYK値が高い3社を紹介
- 今注目の物流設備・機器業界!
- 各企業の新しい取り組みや新発明なども併せて紹介
企業の成長性(株価)の先行指標となるYK値のランキングです。YK値は企業の特許価値を評価する今注目の指標です。YK値の説明はこちらから。
今注目の物流設備・機器業界
物流設備・機器に関連する発明には実に様々なものがあります。輸送のための搬送装置や仕分け装置はもちろん、効率的な流通網を築くための情報システムや、検品時間を短縮するためのRFIDの読み取りゲート、積載効率に関連するコンテナや容器なども、非常に発明の多い分野となっています。
物流業界において技術開発が活発に行われる理由は、その市場規模が約28.5兆円(「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」2022年9月2日 経済産業省・国土交通省・農林水産省)とかなり大きいためです。さらに、近年ではいわゆる「2024年問題」への対応が求められており、この点も発明数を増やす要因となっていくでしょう。
物流設備・機器のイメージ
出典: Adobe Stock ファイル番号:465500986 作成者:Gorodenkoff
「2024年問題」とは、同年度からトラックドライバーに時間外労働の上限規制が適用されるというもの。これまでの物流業界は、人手不足のなかドライバーの長時間労働によって何とか支えられてきましたが、この方法が2024年からは法律上、使用できなくなるのです。この問題に対応するため、物流業界では様々な合理化のための技術が検討されています。本技術分野は一層の注目を集めていく分野となりそうです。
企業特許力ランキング(YK値ランキング)
物流設備・機器の特許に関する有力企業ランキング(本技術分野のYK値が高い企業)は、以下の通りです。
No | 証券コード | 企業名称 | 同技術分野 関連YK値 |
1 | 6501 | ㈱日立製作所 | 176.15 |
2 | 6326 | ㈱クボタ | 129.59 |
3 | 1812 | 鹿島建設㈱ | 122.60 |
4 | 7011 | 三菱重工業㈱ | 116.67 |
5 | 6383 | ㈱ダイフク | 112.59 |
本ランキングでは、物流設備・機器に関連する特許を国際特許分類(IPC)を使用して選び出し、集計しています。国際特許分類(IPC)とは世界中で共通して使われている特許の分類コードで、特許には必ずついているものです。細かくは数万種類もありますので、網羅的で詳細な分類が可能です。
本記事では、ビッグデータを分析し、物流設備・機器と関連する国際特許分類IPCを検索対象にしています。
特許のご紹介(YK値の高い特許)
本技術分野の高YK値特許をピックアップすると以下の通りです。
証券 コード | 企業名 | 特許番号 | 発明の名称 | 同技術分野 関連YK値 |
1812 | 鹿島建設㈱ | 5966032 | タンク、タンクの構築方法 | 101.44 |
6501 | ㈱日立製作所 | 6810772 | 入出荷支援システム…(後略)… | 85.73 |
6383 | ㈱ダイフク | 6597061 | 物品搬送設備 | 65.00 |
7011 | 三菱重工業㈱ | 5950314 | フォークリフト用ボディクッション | 41.77 |
6326 | ㈱クボタ | 7071191 | 粒状体選別装置 | 38.64 |
本技術分野の係争のうち、有力上場企業が関連しているものとして、以下のような係争があります。
審判番号 | 種別 | 攻撃側 → 防御側 | 結果 | 発明の名称 |
2021-700611 | 異議 | 個人 →㈱日立インダストリアルプロダクツ | 訂正維持 | 入出荷支援システム…(後略)… |
2020-700302 | 一部異議 | 個人 →㈱ダイフク | 訂正維持 | 物品搬送設備 |
特許の係争があるということはそれだけ重要な技術だということがいえます。
工藤一郎国際特許事務所では様々な特許の分析レポート・価値評価レポートを提供しています。
大手研究所、メーカー、金融機関等向け等に多数の納入実績がありますので、ぜひご相談ください!
以上